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原告のブログ「ナオミライクな日々」における「それぞれのアイデンティティー」平成24.10.01

 

(証拠説明書より)

 

原告が75歳の老女から巧みに入手した個人情報やプライバシーを侵害する記事を書いて自身のブログで公開していること。

 

原告が飛行機で隣に座った老女にここぞとばかりに話しかけて次々と老女の個人情報を聴き出し,実名やご年齢,家族関係やお身体の弱点等を無断で自身のブログに公開し老女のプライバシーを侵害していること。

原告が「70歳以上のお年寄り」に対して特異なまでに関わりをもとうとしていること。

 

原告が75歳で未亡人のキョウコさんに話しかけて聞き出し公開している個人情報は以下のとおり。最後まであきらめず息子さんに代わって車椅子を押すことによって,原告は見事,キョウコさんの連絡先を入手することに成功した。

日本に戻る飛行機の中で,となりに座ったキョウコさんも言いました。アメリカ人のご主人様が亡くなられた後,独立した3人の息子さん,お孫さんたちに囲まれながらも,おひとりで暮らしています。ついこの間,孫娘の大学の卒業式に出席したと嬉しそうに語るキョウコさんは75歳。日本で知り合ったご主人と一緒に渡米して早50年。アメリカのパスポートを持っています。けれども,決して英語が流暢というわけではなく,後ろの席の息子さんとの会話の中に,時折日本語が混じったりもします。今回の帰国は,弟さんのお見舞いということでした。

「私,耳が遠いから大きな声で話してね。」というキョウコさんと話がはずみ,また同じような質問をしてしまいました。「ずっとアメリカにお住まいになるのですか?」

すると,寸分もあけず,またしてもこんな言葉が返ってきました。そんな質問自体が彼女にとっては不思議だったのかもしれません。

「もちろんそのつもりですよ! だってそこが私の国であり,私の居場所ですもの。アメリカで産んで,一生懸命育て上げた息子たちがいて,今ではその家族がいるのですからね。」

成田空港ではキョウコさんのための車椅子が用意されていました。長く坐っていると歩きづらくなるのだそうです。荷物が運ばれてくるターンテーブルまで彼女の車椅子を押しながら,私たちはずっと言葉を交わし続けました。別れ際に,キョウコさんが電話番号を書いたメモを握ららせて,こう言いました。

「ナオミさん,次にアメリカに来たら会いましょうね。メリーランドからあなたの家まで車で迎えに行ってあげるから,一緒においしいものでも食べましょう。

これが75歳のキョウコさんの言葉です